2011年03月25日 21:36
物語の主人公・鷹取迅(たかとり じん) は凄腕の痴漢として名を知られていた。日常生活の中では己の欲望を満たすことが出来ない迅は、自分と同じ "逸脱者" の素質を持った女を求めて痴漢行為を繰り返す。だが、とあるミスから女性だけで構成された鉄道警備隊 『レイヴン』の手に落ち、痴漢に関する能力を全て奪われてしまう。
何者かの助けによりレイヴンの手を逃れた迅は "最終痴漢電車" の噂を知り、そこに自分の求める欲望の答えがあると確信する。――自分と同じ "逸脱者" の素質を持った女を見つけ、最高の "牝" に仕上げ "最終痴漢電車" のゲストにする。迅はこの新たな目標に向けて、再び痴漢として活動を開始するのだった。
2011年03月12日 22:10
20世紀初頭、西暦1907年。
私たちの知るものとは異なる時代、
私たちの知るものとは異なる歴史を歩んだそこには、
無数の蒸気機関が充ちていた。
異常発達した蒸気文明が生み出す排煙は見る間に天を埋め尽くし、
人々から青空を奪い去った。
中でも、最も空が暗いとされる場所があった。
永劫に続く灰色雲と雨に覆われた廃墟、旧・重機関都市ニューヨーク。
5年前に発生した《大消失》と呼ばれる原因不明の災害によって全土が廃墟と化したかつての摩天楼、
合衆国政府によって完全封鎖され、現在では人影のひとつもないその都市へと、
ひとりの女・エリシアが足を踏み入れる。ひとつの目的を持って。
災害の中心地とされる旧マンハッタンへと向かって、女は静かに歩み始める。
一方で──
旧・重機関都市ニューヨークの“地下”とされる場所があった。
地上の誰ひとりとして、その存在を知る者はいない。
薄暗い紫の灯りに照らされる広大な地下空間。
そこには、5年前に消失した摩天楼の街並みが存在していた。
ただし、大いなる歪みを伴って。
異形へと歪み、黒色と紫影に染められた、
出口のないその地下世界《アンダーグラウンド・ニューヨーク》には、
消え去ったはずの人々が確かに存在していた。
7体の《御使い》と呼ばれる怪物の足音に怯えながら。
7体の《御使い》と呼ばれる怪物がもたらす恐怖と苦痛と死に耐えながら。
人々は、歪みの地下都市の中で、何かを待ち続けるかのように留まり続けていた。
そこへ、ひとりの少女・リリィが足を踏み入れる。
記憶の一切を持たずに。
リリィにとって、わかっていることはひとつだけ。
理由はわからない。何があるのか、誰がいるのか。なぜ、そう自分が思うのかも。
それでも、たったひとつだけ。
「マンハッタン。紫色の空の果て」
「あそこに。あたしは、いいえ、あたしだけは、行かないといけない」
──少女は目指す。遙か彼方の紫影の塔を。
──想い遺した人々の儚い影に、触れ続けながら。涙を、我知らず流しながら。
2011年02月07日 20:12
2010年11月23日 21:05
舞台は冬も始まったばかりの望美ヶ丘の街。
そこに構える一つのケーキ屋、ひよこ館。
主人公――矢口翔一はそのひよこ館の長男で、若くからケーキ職人――パティシエを目指し、
ひよこ館の店長である父親と共に、お店を盛り上げていました。
ですが、とある理由により2年前から親元を離れ、一人学園生活を過ごしていた翔一。
ある日、父親から「腰をやっちまった。ひよこ館を頼む」という一本の電話が。
元々父親だけで回していたので、ひよこ館はとんでもない窮地に陥ってしまったのです。
翔一は学園を休学させられて、ひよこ館に戻ってくることになりました。
そして親父の代わりにケーキ職人――パティシエとして働き始めます。
そこで翔一を迎えたのは――
久しぶりに出会う幼馴染み。
父親の代わりに働いていた先輩パティシエール――女性ケーキ職人。
新しく出来たライバル店、ショコラ・ル・オールの娘。
そして謎の猫魔法使い。
ケーキ屋が一番忙しくなるクリスマスを目前に、翔一の新しく懐かしい生活が始まります。