2011年03月12日 22:10
20世紀初頭、西暦1907年。
私たちの知るものとは異なる時代、
私たちの知るものとは異なる歴史を歩んだそこには、
無数の蒸気機関が充ちていた。
異常発達した蒸気文明が生み出す排煙は見る間に天を埋め尽くし、
人々から青空を奪い去った。
中でも、最も空が暗いとされる場所があった。
永劫に続く灰色雲と雨に覆われた廃墟、旧・重機関都市ニューヨーク。
5年前に発生した《大消失》と呼ばれる原因不明の災害によって全土が廃墟と化したかつての摩天楼、
合衆国政府によって完全封鎖され、現在では人影のひとつもないその都市へと、
ひとりの女・エリシアが足を踏み入れる。ひとつの目的を持って。
災害の中心地とされる旧マンハッタンへと向かって、女は静かに歩み始める。
一方で──
旧・重機関都市ニューヨークの“地下”とされる場所があった。
地上の誰ひとりとして、その存在を知る者はいない。
薄暗い紫の灯りに照らされる広大な地下空間。
そこには、5年前に消失した摩天楼の街並みが存在していた。
ただし、大いなる歪みを伴って。
異形へと歪み、黒色と紫影に染められた、
出口のないその地下世界《アンダーグラウンド・ニューヨーク》には、
消え去ったはずの人々が確かに存在していた。
7体の《御使い》と呼ばれる怪物の足音に怯えながら。
7体の《御使い》と呼ばれる怪物がもたらす恐怖と苦痛と死に耐えながら。
人々は、歪みの地下都市の中で、何かを待ち続けるかのように留まり続けていた。
そこへ、ひとりの少女・リリィが足を踏み入れる。
記憶の一切を持たずに。
リリィにとって、わかっていることはひとつだけ。
理由はわからない。何があるのか、誰がいるのか。なぜ、そう自分が思うのかも。
それでも、たったひとつだけ。
「マンハッタン。紫色の空の果て」
「あそこに。あたしは、いいえ、あたしだけは、行かないといけない」
──少女は目指す。遙か彼方の紫影の塔を。
──想い遺した人々の儚い影に、触れ続けながら。涙を、我知らず流しながら。
<レビュー>
紫影のソナーニル~What a beautiful memories~ 70点
寸評:シャルノスのほうが・・・
<キャラクター> C
リリィ(CV:かわしまりの)
エリシア(CV:野月まひる)
地上、地下のパートに分かれ、それぞれの主人公が上記の2人。
一人語りな部分が多いので、わりと淡々とした流れになりました。
脇役は個性豊かなのが固めているので、それほど寂しく写りはしませんでしたが。
個人的には、子供っぽいリリィと飄々としたAのやり取りで見せる、リリィの表情が好きでした。
とはいえ、シャルノスのメアリのほうが断然好きなわけで・・・
<シナリオ> C+
このシリーズにしては少し恋愛要素が多めで、世界観もどこかメルヘンで、黒くて暗い前作・シャルノスの雰囲気とは対照的でした。
メルヘンな世界は好きな部類ですが、飄々と進んで真相をぼかされた気がしたのが残念。
ストレートで分かりやすいといえばそうですが、奥深さという面ではイマイチ。
ちなみに、このシリーズならインガノック、シャルノスがオススメです。
このライターさんの特徴ですが、単語だけで区切ったり、倒置法(?)が多めでした。
これを非難する人が多いみたいですが、私としては臨場感を感じる好きな書き方でした。
<絵> C+
絵は、AKIRAさん
スチームパンクの雰囲気にはよくあった原画家さんだと思います。
<音楽> C+
OP「rosa morada」、ED「Wisteria」(ともにRitaさん)
このシリーズ独特のどこかのノスタルジックな曲調です。
やはりシャルノスとの比較になってしまいますが・・・
シャルノスのOP「dorchadas」が追われる緊迫感を感じたのに比べると、少しテーマ性が弱い気もしました。
でも、悪いわけではありませんよ。
<総評>
スチームパンクシリーズが続いてきて、少し旗色を変えてきたのかなと感じた今作。
スチームパンクシリーズが好きな人にしては少しライトで、純愛好きには少し物足りない、そんな中途半端な感じでしょうか。
私は、スチームパンクらしさを期待していたんですが。
紫影のソナーニル~What a beautiful memories~ 70点
寸評:シャルノスのほうが・・・
<キャラクター> C
リリィ(CV:かわしまりの)
エリシア(CV:野月まひる)
地上、地下のパートに分かれ、それぞれの主人公が上記の2人。
一人語りな部分が多いので、わりと淡々とした流れになりました。
脇役は個性豊かなのが固めているので、それほど寂しく写りはしませんでしたが。
個人的には、子供っぽいリリィと飄々としたAのやり取りで見せる、リリィの表情が好きでした。
とはいえ、シャルノスのメアリのほうが断然好きなわけで・・・
<シナリオ> C+
このシリーズにしては少し恋愛要素が多めで、世界観もどこかメルヘンで、黒くて暗い前作・シャルノスの雰囲気とは対照的でした。
メルヘンな世界は好きな部類ですが、飄々と進んで真相をぼかされた気がしたのが残念。
ストレートで分かりやすいといえばそうですが、奥深さという面ではイマイチ。
ちなみに、このシリーズならインガノック、シャルノスがオススメです。
このライターさんの特徴ですが、単語だけで区切ったり、倒置法(?)が多めでした。
これを非難する人が多いみたいですが、私としては臨場感を感じる好きな書き方でした。
<絵> C+
絵は、AKIRAさん
スチームパンクの雰囲気にはよくあった原画家さんだと思います。
<音楽> C+
OP「rosa morada」、ED「Wisteria」(ともにRitaさん)
このシリーズ独特のどこかのノスタルジックな曲調です。
やはりシャルノスとの比較になってしまいますが・・・
シャルノスのOP「dorchadas」が追われる緊迫感を感じたのに比べると、少しテーマ性が弱い気もしました。
でも、悪いわけではありませんよ。
<総評>
スチームパンクシリーズが続いてきて、少し旗色を変えてきたのかなと感じた今作。
スチームパンクシリーズが好きな人にしては少しライトで、純愛好きには少し物足りない、そんな中途半端な感じでしょうか。
私は、スチームパンクらしさを期待していたんですが。
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