2009年10月02日 23:16
1st
病院に入院してからの間に、あらゆる出来事に無関心となったセツミと、病院のホスピスとなっている「7階」に入ることになった主人公の話。
2005年冬。7階へやって来た主人公は、談話室で同じ7階に入院しているセツミと出会い、それからセツミとの会話ともつかないやり取りを繰り返す毎日を送る。そしてある日、主人公は父が病室に置き忘れた車のキーを持ちだし、7階と自宅、どちらでも死にたくないと言うセツミと共に病院を抜け出し、あてもなく西へと車で向かうのだが……。
そしてある時、主人公の発案で水仙が咲き誇ることで有名だと言う淡路島へと行くことになる……
2nd
narcissu SIDE 2ndはnarcissuの6年前、セツミと彼女を取り囲む人たちとの過去を描いたアナザーストーリー。病院の7階での日々を送る姫子とセツミが出会ってから別れまでの長い一夏の話である。
1999年 夏、セツミは、入退院と通院を繰り返す日々を送っていた。
そんな中のある日、通院してきたときセツミは7階に入院している姫子と出会う。そしてセツミと姫子は友達となり、セツミは7階へ通うようになる。
ある日、姫子の持つ「死ぬまでにやってみたい10のこと」を知り、一緒に残ったやってみたいことを叶えていくのだが……。
3nd
死神の花嫁
医者である彼氏と付き合い始めて3ヶ月。
ようやく決まった新しい家での生活が始まろうとした時、海璃は倒れて病院に運ばれる。そして、そこから物語は大きく動き出す……。
- Ci - シーラスの高さへ
ある日、街を歩いていたチサトは見知らぬ青年に声をかけられる。
彼女と青年は会話を続けていく内、やがて彼女は青年に興味を持ち始め、青年も彼女が自分を演じていることに気がつく……。
メサイア
いろいろな問題を起こす久也に振り回される拓人。
しかし、拓人は、そんな久也の生き様から色々なものを学んでいく事になる……。
小さなイリス
イリスは中世のとある小国の第二皇女で、隣国に嫁ぐ。しかし、隣国とイリスの母国との間に戦争が起こり……。
ちょっと前にコンプリートしたので記憶が曖昧ですが、以下レビューです。
<レビュー>
ナルキッソス (値段考慮して)70点
1st・・・死生観を問われる作品です。セツミと主人公は患者同士という関係性もあり、主人公も自分にも必ず訪れるであろう現実に向かい合っていくストーリーです。小説版を読んでからなので、比較しながら進めました。ガソリンスタンドやポテトのくだりが少し違うくらいですが、個人的には小説のほうが好き。最後の海に入るところはマジで泣けました。こういうのに弱いんです。
2nd・・・セツミと、セツミの今を作ったともいえる姫子の話。2人も患者同士の話ですが、姫子は元7Fのヘルパーなので、看護する側から看護される側の立場に変わり、そこで戸惑いが描かれています。カトリックがらみの宗教の話が多かったです。このシナリオの一番の盛り上がりは、友達と別れるところでしょうか。自分だったらどうするんだろうとか考えさせられました。
3rd・・・4作品ありますが、個人的な評価は、死神の花嫁>メサイア>小さなイリス>- Ci - シーラスの高さへ。
死神の花嫁・・・死神と言われた医者とその恋人。恋人が病気で7Fに行くことになり、主人公は無力感を感じます。最後は大雪の中で婚姻届を届けに行き、死に目に会うことができません。最後に死亡時刻をいじり、無事に結婚します。いくら彼女に嘘は通じないと言われても、個人的には一緒にいてあげるべきだったような気もします。
- Ci - シーラスの高さへ・・・道で偶然出会った男女が、ずっと冗談を言いながら話しているだけで、あんまり病気と関係ありませんでした。彼女が自分を偽っているのを見抜き、「嘘相殺計画」を作り、それを中心に話は展開されていきます。嘘で取り繕った女が正直に反応したら1mずつ上昇して巻雲の高さを目指すというものです。ラムネの貸し・借りみたいのを想像しましたが、女の7F行きで急展開になったのは残念。病気は関係しますが、病気より2人の掛け合いを楽しむ感じです。
メサイア・・・研修医と患者。立場の違い、去る者と残される者の違いに苦しむ様が描かれていました。最後はまさか・・・(読んでのお楽しみ)
最後まで読んでみると、明日というのは保障されたものじゃないんだなとつくづく感じます。
小さなイリス・・・片岡ともさんの作品ということで期待しましたが微妙かも。ただ期待がでかすぎただけだし、それなりのクオリティはありました。この話は銀色の第一章のような展開でした。ナルキッソスなのに病気は関係ないですが、1stのような感じの死生観を描いています。結末は分かるような分からないような・・・。個人的には、もうひとひねりを期待してましたw
頻繁に出てくる「空は夜明け前が一番暗い」という言葉を暗いほうに捕らえていましたが、実は前向きな発言だったんですね。
絵が少ないことなど残念な点はありますが、1500円という値段を考えれば評価できる内容でした。
1stと2ndは涙腺を刺激されましたし、3rdではいろんな視点の話が読めました。テキスト量もそれなりに多かったので満足です。
「死神の花嫁」の選択肢は、何の意味があったんだろう?
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